新庄之宮神社の夫婦楠(広島県広島市)

Pocket

resize0004

広島市の市街地、交通量の激しい国道沿いの神社に対で立っているのが、「新庄之宮神社の夫婦楠」です。

アクセスは広島駅からバスもしくはレンタサイクルで20分ほど。今回は雨が降っていたので、バスを利用しました。

resize0021

resize0023

「大芝町」というバス停を降りると、神社までは150mほど。既に、巨樹の樹形が目に飛び込んできます。

resize0008

resize0016

一見するとあたりの環境はあまりよくなさそうですが、実はこのあたりは今も付近を流れる太田川水系が形成した、日本でも有数の三角州である「広島デルタ」の北端エリア。

つまり、樹が誕生・成長していた数百年前は、おそらくあたりはアシが生い茂るような湿地帯であり、クスノキにとってはたまらない環境であったことが推測できます。

そのため、同神社以外の場所でも、このあたりにはクスノキに限らず、数多くの巨樹が立っていたそうです。

resize0007

resize0012

さて、道路側が妻(雌)の樹で、幹周りが約5.35m、根周りは約10m。一方、社殿側に立つのが夫(雄)のクスノキで、さすがは男性と言うのでしょうか、こちらの幹周りは妻よりも1m以上大きい約6.4mで、根周りはさらに大きく約11.4mとなっています。

樹高や樹齢はどちらも同じく、約30m、500年で、県の天然記念物指定を受けています。


resize0015
妻楠

resize0003

resize0002
夫楠

パッと見では、それほど大きさの違いは分かりません。しかし、根元に目をやるとその差は歴然。夫楠の根元のゴツさは、まさに男性らしい“隆々”という印象です。

resize0025

resize0017

大枝の折れなどが見られ、樹皮もあまり元気のない様子。ただ、葉っぱを見る限りは生命力を感じました。

resize0013

神社の歴史は夫婦楠よりも古く、創建は正慶年間(1332~1333年)の頃。社殿は1835年に建て替えられた建築物で、歴史を感じます。

resize0014

ただ、神社は原爆が投下された場所から約2.9㎞という距離にあります。当然、夫婦楠も社殿も被曝したわけです。

幸いにもあたりに家屋が点在していたそうで、火災などの被害には至らなかったとのこと。

このような価値ある遺物を後世に残そうと、2004年に社殿の保存工事が行われました。

resize0010

resize0024

境内は意外に広く、夫婦楠以外にも大きな樹が立っています。

ただ残念なことに、訪れたのが寒い時期であったため、ほとんどの樹は葉っぱのついていない丸裸状態(苦笑)。

しかし暖かくなるにつれ、境内にはたくさんの緑を纏った巨樹が立ち並び、見事なオアシスを形成することでしょう。

resize0006

夫婦楠の前に立つと、しめ縄がお互いを繋ぐ赤い糸に思えて仕方ありませんでした。

被曝当時にしめ縄があったかどうかは分かりませんが、街の景観も含め、これまでもこれからも、夫婦で仲良く世の移り変わりを見守り続けていくのでしょうね。

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です