下町情緒が残る谷中で見たクスノキ、シイノキ

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みなさん、こんにちは。今回は、下町情緒が残る町、台東区谷中の寺内に立つ、クスノキ、シイノキをご紹介します。

谷中は、東はJR山の手線、西は不忍通り、南には上野公園、そして北は道灌山(どうかんやま)通りに囲まれた、東西1kmほどの地域を指します。過去には生姜を育てる農村が有名だった場所で、お酒のおつまみとして人気が高い「谷中生姜」の由来となっています。

町屋と呼ばれる、平屋の住宅が密集して地域を形成しているのが特徴的で、最近は京都をはじめとして全国的に町屋がブームなっていて、ここ谷中も感性豊かな若者や、外国人旅行者から支持を集め、観光スポットとして賑わっています。

谷中の街並み

谷中の街並み2

そんな谷中の町を散策すれば、建物は昔からの雰囲気はそのままに、内装を一部リノベーションしてギャラリーやカフェとして営業する、レトロモダンなお店が建ち並び、独特な町の雰囲気をつくっています。

また谷中は寺院が多いことでも有名です。理由については諸説ありますが、江戸時代になると次々と寺が建てられた(正確には他の場所から移動)ことから、当時政権を握っていた、江戸幕府の意図であるという説が一般的です。

寺の数は最盛期には100を超え、現在でも70ほどの寺院が、町のあちらこちらにあります。

私が今回訪れたのは、日暮里駅から歩いて5分ほどの距離にある延命院、そして延命院からさらに10分ほど山の手線に沿って上野公園側に向かった場所にある、大雄寺(だいおうじ)です。

延命院に立つシイノキは、東京都から天然記念物指定を受けている樹齢600年ほどの巨樹で、以前は太さが約5.5メートル、樹高が約15メートル、枝張りが東西に約14m、南北に約23mある立派な樹でした。ですが2002年に大枝が崩落したことにより、現在は痛々しい姿となっています。

延命院シイノキ

延命院シイノキ2

幹が枯れている様子

以前の樹の様子を知る人の話では、崩落前には幹の痛みがひどかったとのこと。当時の貴重な画像をお借りすることもできました。

クスノキ49

DSC00051
撮影者:間野 友輔さん 2001年2月22日

ただ、残った枝葉の様子は生き生きとしていましたし、大枝が崩落した部分から新芽が見られ、生命力の強さを感じました。

一方、大雄寺に立つクスノキは巨樹としては珍しく、枝を支える支柱や治療の跡がなく、自由気ままにクネクネと枝葉を四方に伸ばした見事な外観が、寺を訪れる人の足を止めるパワーを存分に発揮しています。

大雄寺クスノキ

枝張り

枝張り2

葉の様子

樹齢は200~300年といわれ、太さが約6.2m、樹高が約13m、枝張りが約12mあり、都内最大のクスノキです。四方すべて墓地という環境が、樹にとっては最適なのでしょう。また、参道を挟んだ場所には、春に来たらその色合いが美しいであろう、観音様と寄り添うしだれ桜があります。

大雄寺枝垂れ桜

クスノキの根元には勝海舟、山岡鉄舟と並んで「幕末の三舟」と呼ばれた槍の名手、高橋泥舟(たかはしでいしゅう)の墓があります。

高橋泥舟(たかはしでいしゅう)の墓

また境内には養育院で亡くなった、身寄りのない方の遺骨が埋葬されている墓もあります。故人の成仏を見届け、その後の安置を守り続けている樹という印象を持ちました。

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